少ない住戸数で構成される小規模なマンションには、大規模なマンションにはない魅力がたくさんあります。
しかし、一方で「将来的に売れない可能性はないか」「維持費が高いのではないか」といった不安の声も聞かれますが、実際のところはどうでしょうか?
マンションを選ぶ際には、部屋の配置や立地条件だけでなく、「規模」も考慮すると良いかもしれません。
見落とされがちなポイントかもしれませんが、自分のライフスタイルに合った規模のマンションを選ぶことで、満足できる居住環境を手に入れることができるでしょう。
今回は、大規模なマンションと小規模なマンションに焦点を当て、それぞれの特長を詳しくご説明していきます。
小規模マンションとは
一般的に50戸未満のマンションは、小規模マンションと呼ばれることが多いです。
一般的に、小規模マンションは、建設される土地が限られているため、建物内の共用施設は最低限のものにとどまることが多い傾向があります。
小規模マンションのメリット
ここでは、小規模マンションのメリットを順番に見ていきましょう。
管理組合の業務が円滑に進む
住んでいる人が少ないことによる利点は、同じ住居内でのコミュニケーションがしやすくなることです。
住人数が少ないと、それぞれの考えや意見をまとめることが比較的容易になります。
人数が少ない分、コミュニティ全体の一体感が高まりやすく、皆がお互いをサポートし合う雰囲気が自然と生まれやすいのも大きな利点です。
住人同士の距離が近い
住戸数が少ないと、住人同士が顔見知りになりやすくなります。
このような状況では、住まいのコミュニティがより密接になり、防犯面でも利点があります。
一般的に、ピッキング犯は大規模なマンションを狙う傾向がありますが、その理由の一つは住人同士の疎遠な関係が挙げられます。
具体的に言うと、大規模な住宅では、不審な行動を取る人物がいても、他の住人がそれを見過ごす可能性が高いです。
つまり、誰か特定の住人として見られずに逃げられる可能性が高いのです。
しかし、小規模なマンションでは、不審者と住人を見分けるのが比較的容易であるため、防犯上のメリットがあります。
小規模マンションのデメリット
ここでは、小規模マンションのデメリットを順番に見ていきましょう。
修繕費が高くなりやすい
住戸の数が少ない場合、各住戸が修繕費用を支払う割合が高くなるため、費用が高額になりがちです。
一方、大規模なマンションでは、修繕費用を分担する住戸数が多いため、当たり前の費用が低くなりがちです。
このように、大規模なマンションと比較すると、修繕費用が高額になる可能性があります。
そのため、修繕積立金の負担額も高くなる可能性があります。
さらに、もし管理組合の中に修繕費用の支払いを滞納している住戸がある場合や、駐車場の空き区画がある場合など、修繕積立金の会計に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況では、積立金の運用や予算編成などにおいて留意する必要があります。
プライバシーに関しての問題
ご近所との交流を避けたい方にとっては、小規模のマンションでは、家庭的な雰囲気が特徴であり、それがプライバシーの侵害に繋がる恐れがあるかもしれません。
加えて、住民同士がお互いの家族構成や性格などをよく把握しているため、そこから発生する面倒事を避けたいと感じることもあるでしょう。
小規模マンションは売りにくい?
「大きなタワーマンションは将来、売りやすい」という話を聞いたことがあるかもしれませんね。
それでは、小規模なマンションは売りにくいのでしょうか?「小規模なマンションが売りにくいというわけではありません。
ただし、高く売るのは難しいかもしれません」ということです。
その理由は、維持費にあります。
小規模なマンションは、大規模なマンションに比べて管理費や修繕積立金が高くなることが多いため、中古マンションとして購入した後の住宅費(住宅ローン返済額+管理費+修繕積立金+固定資産税・都市計画税)が多くなる傾向があります。
「住宅を購入する方、特に中古マンションを購入する方は、『ローン返済と維持費、税金を合わせて、年間いくらまでなら支払えるか』を考慮して予算を立てることが一般的です。
たとえば、管理費や修繕積立金が同じ近隣の中古マンションよりも毎月1万円高い場合、売買価格をそれと見合わせて、毎月のローン返済が1万円少なくなる価格で取引が成立し、月々の支出が同じくらいになればいいわけです」小規模なマンションを将来売却する場合は、周囲の立地や広さが同じような大規模マンションよりも維持費が高いため、価格を下げる可能性も考慮に入れておくと良いでしょう。
まとめ
小規模マンションとは、一般的に人口が少なく管理が比較的容易であるマンションのことを指します。
これには法的な定義はありませんが、一般的には居住者以外の人の出入りが限られており、防犯上の安心度が高いとされています。
このようなマンションのメリットは、防犯の面での安心感があることが挙げられます。
一方、小規模マンションのデメリットとしては、修繕積立金や管理費が割高になりやすいという点があります。
また、維持管理を行うためにアプリやコンサルタントを活用して自主管理を行うことも可能ですが、そのためには適切な知識やスキルが必要となります。
さらに、維持費が高くなる分、売却時の価格が多少下がる可能性もあることに留意する必要があります。
そのため、小規模マンションを購入や管理する際には、メリットとデメリットを考慮して、適切な管理方法を選択することが重要です。