家の価値の調べ方|売却や相続を行う際にスムーズに進められる!

不動産

家を売る場合や相続を行う際には、事前に家の価値を把握しておくことが重要です。

そのためには、自分自身で家の価値を調べる方法や様々な不動産価格の計算方法について知る必要があります。

自宅の価値を把握しよう

家の価値を知ることは、さまざまな局面で重要になります。

例えば、家を売る際や相続に伴う資産分与、離婚後の財産分割などです。

家は一般に高額な財産であるため、その価値を正確に把握しておくことは非常に重要です。

家の価値を調べる方法やその際の注意点についてご説明いたします。

自宅の価値を知るには?

自宅の価値を知るためには、不動産の評価額を調べる必要があります。

不動産の評価額は、一般的には「土地の評価額 + 建物の評価額」という方式で算出されます。

土地の評価額は、土地の広さ(平方メートルや坪)や土地の立地条件(交通の便や周辺の施設)などによって決まります。

一方、建物の評価額は、建物の広さや設備・設備の品質、築年数、建物の構造などによって決まります。

土地の評価額と建物の評価額を合計することで、不動産の総評価額が算出されます。

土地評価額の算出方法

土地の評価額は以下の主な価格に加え、土地の形状や接道の状況なども踏まえて算出されます。

路線価

路線価とは、道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格を指します。

路線価は、土地全体の価値を計算するために使用されます。

この価格情報に基づいて土地にかかる税金を計算することができます。

具体的には、相続税や贈与税の計算に用いる相続税路線価と、固定資産税の計算に用いる固定資産税路線価の2つの種類が存在します。

相続税路線価は遺産の評価に使用され、土地の評価額に応じて税金が課せられます。

一方、固定資産税路線価は、不動産の評価に基づいて固定資産税が計算されます。

このように、路線価は土地の価値を示す指標であり、税金の計算にも重要な役割を果たしています。

相続税路線価

路線価とは、相続税や贈与税の計算に利用される価格です。

国税庁は毎年7月1日に、その年の1月1日時点の路線価を公表します。

一般的に、路線価は公示価格の約80%程度となっています。

公示価格は不動産の市場価格を示しているため、路線価はそれに比べてやや低めの価格となっています。

固定資産税路線価

固定資産税の計算には、路線価という指標が使用されます。

路線価とは、各市区町村が毎年1月1日時点で算定し、4月頃に公表される地域ごとの土地の平均的な価格です。

公示される価格は、通常、実際の土地の価値の約70%程度とされています。

路線価は、土地の評価や固定資産税の算定に参考にされる重要なデータです。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、土地や住宅などの固定資産の価値を示すものです。

この評価額は、総務大臣が定めた基準に基づいて市区町村が決定し、3年ごとに価格見直し(評価替え)が行われます。

一般的に、土地の評価額は地価公示価格の70%とされています。

固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税などを計算するための基準となります。

つまり、この評価額に基づいて税金が算出されます。

公示価格

公示価格とは、日本国内の土地の価格に関する情報であり、国や都道府県が地価公示法に基づいて毎年設定しているものです。

公示価格は一つに「公示地価」という国が設定する地価と、もう一つに都道府県が設定する「基準地価」という二つの要素で構成されています。

公示地価

公示地価とは、国土交通省が毎年3月に公表するもので、その時点での土地の価格を示します。

この公示地価は、国土交通省が「適正な地価の形成に寄与すること」を目的に定めています。

公示地価は、全国で約2万6000か所の「標準地」と呼ばれる土地を調査・鑑定して算出されています。

これにより、各地域の土地の価格動向や需要・供給のバランスを把握することができます。

公示地価は、不動産の売買や評価、地代の設定など、さまざまな場面で利用されています。

また、適正な地価を反映することで、土地の公正な評価や市場の健全な運営に貢献しています。

基準地価

基準地価とは、土地の価格に関する情報であり、各都道府県が中心となって9月に公表するもので、基本的にはその年の7月1日時点の土地価格を指します。

この基準地価は、半年前に公表される公示地価と組み合わせて、土地の価格動向を補完する役割を果たしています。

基準地価は、全国に存在する2万カ所以上の「基準地」と呼ばれる場所で調査され、その土地の価格が評価されます。

また、基準地価では、都市計画区域外の地域も調査対象となるため、公示地価では把握できないような土地の価格情報を提供することができます。

このような特徴を持つ基準地価は、土地の市場価格を把握する上で重要な指標となっています。

建物の評価額の算出方法

建物の評価額を知るための方法はいくつかありますが、その1つは固定資産税評価額です。

この評価額は地方自治体が算出するもので、建物の評価に基づいて固定資産税が課される金額を示します。

さらに、金融機関では別の方法で建物の評価額を算出することも一般的です。

その方法は、「建物の評価額 = 再調達価格 × 残存法定耐用年数 ÷ 法定耐用年数」という式を用います。

この式は、建物の再調達価格と建物の残存法定耐用年数、そして建物の法定耐用年数という要素を組み合わせて算出します。

再調達価格

再調達価格とは、建物を再建する際に必要な予想費用のことを指します。

具体的には、同じ建物を再構築する場合に必要な費用を意味します。

再調達価格は、建物の再構築費用を算出するために使用する再調達単価と、建物の広さを表す延床面積の積で計算することができます。

延床面積は、建物の全階の床面積を合計したものです。

ただし、再調達単価は建物の構造によって異なるため、金融機関ごとに異なる設定額があります。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、減価償却の期間を法律で規定しているものです。

住宅の場合、国税庁によって法定耐用年数が定められており、これは建物の構造によって異なります。

●W造(木造)の場合は22年

●木骨モルタル造の場合は20年

●れんが造・石造・ブロック造の場合は38年

●そしてSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とRC造(鉄筋コンクリート造)の場合は47年

以上になります。

残存法定耐用年数

残存法定耐用年数とは、法定耐用年数から築年数を差し引いた数値のことです。

実勢価格を知ろう

実勢価格とは、不動産の現在の市場価格を指す言葉です。

具体的には、実際に取引が行われた場合には、その取引金額が実勢価格となります。

しかし、取引が行われていない場合には、周辺の取引事例や公示価格などの公的なデータをもとに実勢価格を算出します。

これにより、市場において適切な価格を把握し、不動産の価値を判断することができます。

自分で家の価値を調べる方法

ここまでご紹介してきた不動産の価格は自分で調べることが可能です。

公示価格から求める

公示価格は、国土交通省が運営する土地総合情報システムというサイトで検索することができます。

このサイトでは、公示地価や基準地価、不動産の取引情報などを確認することができます。

具体的には、標準地や基準値の価格を確認することで、実勢価格を「公示価格 × 1.1」という式で算出することができます。

ただし、算出される価格は目安であり、地域や物件によっては乖離が生じることがあります。

また、都市部では公示価格相当額の1.5~2.0倍近くになることもあります。

さらにこのサイトでは、「不動産取引価格情報検索」という機能も利用することができます。

この機能を使うと、不動産の所在地や面積、1㎡あたりの単価など、実際に取引された不動産の基礎情報を調べることができます。

これらの基礎情報は、自宅の売却相場を把握する際に参考になるでしょう。

ただし、売却相場も地域や物件によって異なるため、あくまで参考として活用することが重要です。

固定資産税評価額から求める

固定資産税評価額を手に入れると、「固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1」という計算式で実際の市場価格を見積もることができます。

ただし、この計算結果は目安に過ぎず、地域や物件の特性によっては乖離する可能性があることにご注意ください。

固定資産税評価額を知る方法にはいくつかあります。

1つ目は、自治体から年に4〜6月ごろに送られてくる固定資産納税通知書に添付されている課税明細書の「課税」欄に記載されている金額を確認する方法です。

2つ目は、役所で固定資産評価証明書を入手する方法です。

固定資産評価証明書は公的な書類であり、入手には本人確認書類と手数料が必要です。

申請すれば郵送でも取得できます。

詳細については自治体のウェブサイトをご確認ください。

その他にも、市区町村の役所で固定資産税台帳を閲覧することで確認する方法もあります。

固定資産税評価額について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

実勢価格を求める

不動産を売却する際には、実際に取引されている価格や市場の相場を調べておくことが重要です。

このように、評価される実際の価格を探るために、専門家である不動産会社や不動産鑑定士に不動産の査定を依頼することをおすすめします。

不動産の査定では、取引された事例を比較する方法、収益を元に評価する方法、そして建物の原価に基づいて評価する方法の3つの手法を用いて、実際の市場価格が推定されます。

不動産会社に家の価値を算出してもらう方法

ここまで、不動産の値段を自分で調べる方法についてお話ししましたが、不動産会社に査定を依頼することで、より簡単にかつより正確な家の価値を知ることができます。

不動産会社の査定サービスは無料で利用することができます。

ここでは、不動産会社が実施している査定の方法について、詳しくご説明いたします。

簡易(机上)査定

簡易査定は、不動産会社のホームページや電話を通じて依頼することができます。

この査定方法は、物件の公示価格や依頼者が入力する物件情報を基に、査定額を算出する方法です。

不動産会社の取引事例を参考にしながら、査定額を決定します。

簡易査定は、訪問査定と比較すると結果が早くわかるメリットがあります。

通常、査定結果は即日から3日以内にわかることができます。

ただし、AI査定と同様に、訪問査定と比較すると査定の精度は低い傾向にあります。

そのため、まだ売却の意思が固まっていない方におすすめの査定方法です。

訪問査定

訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に物件を訪れ、直接物件の現状を目で見ながら査定を行う方法です。

この査定では、建物の外観や内装なども評価の対象となります。

実際に目で見て査定するため、AI査定や簡易査定に比べて精度が高いのが特徴です。

ただし、不動産会社とのやりとりには手間がかかるため、ある程度売却を決意し、正確な査定額を知りたい方におすすめです。

ただし、査定結果を得るまでに1週間程度かかることが一般的ですので、訪問査定を検討している場合は、早めに不動産会社と日程を調整しておくと良いでしょう。

査定での注意点

査定によって算出される査定額は、過去の類似事例を参考にして算出された数値です。

ただし、この査定額はあくまでも目安であり、必ずしも成約価格と一致するとは限りません。

成約価格とは、実際に売買契約が成立する際に決まる最終価格のことです。

また、査定額は不動産会社ごとに多少のバラつきがあります。

そのため、より正確な査定結果を知るためには、実績があり信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。

信頼できる会社かどうかを判断するためには、営業担当者の対応を確認すると良いですね。

分からないことがある場合、丁寧に質問に回答してもらえるか、連絡がスムーズに取れるかといった点を確認しておくと安心です。

まとめ

この記事では、家の価値を調べる方法について詳しく説明しました。

家の価値は自分で調べることができるかもしれませんが、もし売却を検討しており、より正確な価値を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

特に、実際の市場価格は非常に変動しやすいため、個人で調べるよりも、不動産市場のトレンドに詳しい専門家に依頼する方が安心です。

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