湾岸エリアは、東京の都心に近く、さまざまな利便性があるため、多くの人々に人気です。
しかし、このエリアは海抜が非常に低いため、海抜0m地帯で一戸建てを購入して暮らすことにはいくつかのリスクがあることが懸念されています。
海抜0m地帯での暮らしには、何らかのリスクが存在することを理解しておく必要があります。
海抜0m地帯
海抜0m地帯とは、満潮時の海水の水面よりも位置が低い場所を指します。
主に、東京湾や伊勢湾、大阪湾などの海沿いや川の周辺に海抜0m地帯が存在します。
東京都では、江東区や江戸川区、墨田区、葛飾区の荒川の両岸などに海抜0m地帯が広がっています。
海抜0m地帯は、埋立地や湿地が多く、荒川の両岸は軟弱な地盤であり、明治時代から昭和の高度成長期までの地下水のくみ上げが地盤沈下の原因とされています。
海抜0m地帯は、洪水や高潮、地震による津波などの被害のリスクがあるため、国土交通省や自治体は堤防などの整備を進めてきました。
自治体が作成するハザードマップを確認することで、浸水が予想される場合の水深を把握することができます。
資産価値は?
2011年の東日本大震災以降、土地の安全性が重要視されるようになりました。
津波や液状化による被害があったため、海抜0m地帯は特に懸念されています。
この地域では洪水や津波の危険があり、さらに軟弱地盤が多いため、液状化のリスクも高まります。
そのため、人々はこのような地域を避ける傾向にあります。
しかしながら、資産価値には他の要素も関わってきます。
例えば、交通利便性や商業施設、病院、学校などの生活に必要な施設の立地状況などが影響します。
海抜0m地帯でも、交通網が整備されていたり、必要な施設が周辺にある場合、人々の生活を便利にすることができます。
そのため、利便性が高い海抜0m地帯でも、資産価値は十分に存在すると言えます。
地価が低いため、相対的に見ると資産価値が低いと思われるかもしれませんが、それは誤解です。
ただし、自然災害によるリスクは認識しておく必要があります。
台風や地震による被害のリスクは高いですから、それを考慮して判断する必要があります。
資産価値と安全性をバランスよく考えることが重要です。
一戸建てでとるべき対策
海抜0m地帯に建てる一戸建てでは、特に軟弱な地盤の可能性を考慮しなければなりません。
この地域は地震による液状化のリスクが高く、建物が傾いたり沈下したりする可能性があります。
そのため、地盤調査を実施して、必要なら地盤改良を行うことが重要です。
これにより、建物の安定性と耐震性を確保することができます。
建売住宅を購入する際には、まず地盤調査が行われているかどうかを確認する必要があります。
もし地盤改良が行われていない場合は、なぜ地盤改良が不要だという根拠を明示してもらうべきです。
一方、地盤改良が行われている場合は、どのような工事が行われたのかをしっかりと確認しましょう。
さらに、海抜0m地帯の一戸建てでは、半地下の設計は避けるべきです。
これは、洪水や津波による被害を最小限に抑えるための対策です。
具体的には、盛り土を行って地盤面を上げたり、基礎を高く作ったり、階段を数段昇った高さに玄関を設けたりする方法が考えられます。
玄関が地盤と同じレベルにある場合は、浸水が起こった場合に備えて、排水処理の対策を講じる必要があります。
海抜0m地帯では、地盤の問題と洪水や津波のリスクに特に注意が必要です。
これらの対策を適切に実施することで、安全で快適な住まいを手に入れることができます。
一戸建てのメリットとデメリット
海抜が0メートルの地域は、例えば東京の湾岸エリアのような都心部に近い場所でありながら、地価が比較的安い傾向があります。
これにより、土地の取得費用を抑えることができます。
その結果、職場や学校、ショッピングモールなどへのアクセスが便利で、職住近接の利点を享受しながら、低い費用で暮らすことができます。
しかしながら、海抜が0メートルの地域で一戸建てを建てる場合は、地盤調査や地盤改良、盛り土などの対策が必要となります。
これにより、建設コストが上昇します。
したがって、建設に要する費用がかかるというデメリットもあります。
ただし、海抜が0メートルの地域で安全に住宅を建てるために必要な費用は、土地によって異なるため、土地の購入費用と建設費用をトータルで考慮し、判断することが必要です。
また、適切な対策を講じていても、周辺地域の液状化によって、インフラ機能が麻痺する可能性もあります。
海抜が0メートルの地域で一戸建てを購入する際は、リスクを理解し、安全対策を講じた上で、利便性を重視して住まいを選ぶことが適しています。
利便性と安全性を両立した住まいを求める人にとって、海抜が0メートルの地域は適していると言えます。
まとめ
海抜0m地帯に住宅を購入する場合、まずはハザードマップを確認して、水害のリスクを把握しておくことが重要です。
さらに、住宅の設計面でも安全対策が十分に取られているかを確認する必要があります。
海抜0m地帯は洪水被害や地震による津波や液状化のリスクがあります。
そのため、堤防が設けられていても、東日本大震災のような大きな地震が首都圏で発生した場合、堤防が決壊する可能性も考慮に入れる必要があります。
地震時には家具の転倒による浸水を防ぐため、家具を固定するなどの対策も必要です。
また、高層の頑丈な建物や高台など、近隣に避難場所があるかを確認しておくことも大切です。
さらに、地域で開催される防災訓練に参加するなど、日常的に防災意識を持って生活することもおすすめです。
まとめると、海抜0m地帯に立つ住宅は洪水や地震による被害のリスクがあるため注意が必要です。
また、海抜0m地帯は利便性の高さに対して地価が比較的安い傾向もあります。
したがって、海抜0m地帯に住宅を建設する場合は、地盤改良や盛り土といった対策が必要なこともあることを念頭に置いておく必要があります。